歯周病は、歯を支える歯周組織を破壊する病気で、初期には自覚症状がほとんど無く、気づかない間に進行していきます。
- ■健康な歯肉

- 歯肉が健康なとき、歯は歯周組織(歯肉、歯根膜、セメント質、歯槽骨)によってしっかり保持されています。正常な歯肉は淡いピンク色で引き締まっています。
- ■歯肉炎の歯肉

- 歯肉が炎症を起こすと、赤くつやがあることもあり、磨くと出血しやすく、触れると痛むことがあります。 炎症は歯肉に限局して仮性ポケットが出現します。(アタッチメントロスなし)
- ■軽度歯周炎の歯肉

- 歯肉の炎症が進行してくると、発赤、腫脹が著しくなり磨くと出血します。歯の支持組織にも炎症が進み、歯周ポケットが形成され骨の吸収も始まります。(アタッチメントロスを伴う)
- ■重度歯周炎の歯肉

- 歯周病がさらに進むと歯の支えの多くを失い、骨の吸収が歯根長の1/2以上になると歯がぐらつきはじめ、膿が出はじめてくると抜けてしまいます。(アタッチメントロスを伴う)

歯周病の進行度は歯肉を見ただけでは判断できないので、歯槽骨の破壊状態をX線写真で確認します。X線写真は歯周病の審査・診断・治療計画に立案、さらに、治療結果の評価などに活用します。
- 健康な人のX線像

- 健康な状態のX線写真では歯槽骨の吸収が見られず歯槽骨頂の位置はセメント・エナメル境から1~2mm根尖側にあり、歯槽硬を明瞭にみることができます。
- 中等度以内の歯周炎のX線像

- 歯周炎は前歯部と第1大臼歯を中心に部位特異的に歯の破壊が認められることが多いです。中等度の範囲内で炎症の進行を止めることで、多くの歯を残すことが可能です。
- 重度の歯周炎のX線像

- 中等度の歯周炎を放置すると、炎症がさらに進んで歯はぐらつき、噛むといたいことがあり、やがて抜けていきます。
- 重度の歯周炎のX線像

- 中等度の歯周炎を放置すると、炎症がさらに進んで歯はぐらつき、噛むといたいことがあり、やがて抜けていきます。
- 浮腫性の歯肉

- 赤みをおび、やわらかくて薄い歯肉。見かけ上の歯肉の炎症よりも、組織破壊がさほど進行してないことが多い。プラークを除去すれば、歯肉の変化も表れやすく、症状の回復も早い歯肉です。(動機付けしやすい歯肉)
- 線繊維の歯肉

- 歯肉は白っぽく厚く硬いため、深いポケットとして現れます。炎症もゆっくり進行してゆき、歯肉の変化が表れにくく、症状の回復も遅い歯肉です。(動機づけしにくい歯肉)
- ■歯周病には2タイプがあります
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- ●成人型タイプ
- 成人型歯周炎と呼ばれるもので、歯周炎すべてのうち約90%を占めるものです。多くのケースは口腔内にプラークや歯石が付着してることで、中等度の歯周炎に進行していきます。プラークコントロールが不十分だと50歳頃から症状が著しくなっていきます。
- ●早期発現型タイプ
- (11~12歳ごろより症状が現われる)
前思春期性歯周炎と若年性歯周炎と急性進行性歯周炎(破壊性歯周炎)に分けられます。これらは歯周炎患者の8%未満ですが、病変にかかりやすく進行も急速なので、プラークコントロールが悪いと重度の歯周病になっていきます。また、家族傾向がみられるので、遺伝的傾向のタイプでもあります。
- ■歯周ポケットの診査
- 歯周病の進行状態を評価するうえで欠かせないのが歯周ポケットの診査で、プロービングによって行われます。
- ■プロービングによる診査
ブロービングによって歯周ポケットの深さとブロービングのときの有無を調べることで、炎症の存在と歯周病の進行程度がわかります。X線写真だけでは把握できない頬舌側の歯槽骨吸収などの状態をブローブで探って判断します。
診査の目的は
- 1) 炎症の有無、位置の確認
- 2) 根の解剖学的形態の確認
- 3) 歯石などの付着物の位置確認などを把握するために検査します。

- 歯肉縁上プラーク
- むし歯や歯周炎の発症に関係します。
- 歯肉縁下プラーク
- 歯周ポケットを発生させ歯周病を進行させます。
■歯周病の原因は細菌の塊のプラークで、歯周ポケットにプラークがすみつくことで歯周組織に炎症を起こします。
■より強固な細菌の巣を形成するプラーク
- 歯石

- 歯肉縁上のプラークはブラッシングで取り除けますが、縁下プラークや歯石は歯科衛生士が行うスケーリング・ルートプレーニングでないと取り除けません。
- バイオフィルム


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歯周病は長い年月を経て進行しているため、治療には少し時間がかかり、患者さん自身の磨く自覚により治癒が左右します。歯周病は、歯周初期治療で約85%治ります。
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- ■歯周治療のステップ
- 歯肉炎はブラッシングのによるプラークコントロールを徹底することで改善していきます。ただし、改善したからといってプラークコントロールを怠ると歯肉炎、歯周炎へと移行します。
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- ■中等度歯周炎の治療ステップ
- 歯周病がある程度進行してくるとブラッシングだけでは治療が難しくなります。歯肉縁下の歯石やプラークをスケーリング・ルートプレーニングで除去し、口腔内を清潔に保つことで、歯周病の進行を止め健康な歯肉を取り戻せます。
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- ■重度歯周炎の治療ステップ
- 歯周病が重度まで進行すると、炎症をくい止め機能回復を図るように努力します。歯肉縁下や根分岐部の病変を除去するために、場合によって歯周外科手術も必要になります。
歯周治療はブラッシンクによるプラークコントロールなくして治療はありえません。

- ■毛先みがき
- プラークを確実に除去するには、歯ブラシの毛先を使い分け、歯面に直角に当てて磨くことが大切です。それには口腔内のすみずみにまで無理なく毛先が届き、スムースに動かすことです。また、細菌は空気が嫌いなので歯周ポケット内で繁殖します。ブラッシングでポケットに空気を入れることで、細菌がすみにくくなります。

- 初診時
- プラークコントロールが不十分で、歯肉の発赤・腫脹が見られます。
- 赤染め時
- 赤染めをしてみると磨き残しが顕著で、隣接面磨けていません。
- 1ヵ月後
- ブラッシングの効果が出はじめ、歯肉の発赤・腫脹が少なくなってきました。
- 4ヵ月後
- プラークコントロールが上手になり歯肉の炎症が治まりました。

- ■歯間空隙の広い場合は歯間ブラシで
- プラークがたまりやすいのが隣接面です。歯ブラシだけでは落としにくい歯と歯の間のプラークは、歯間ブラシが効果的です。歯間ブラシは歯間空隙の大きさにあったサイズを選ぶことが大切です。
スケーリングは、歯に付着したプラークや歯石、その他の沈着物など器械的に除去することです。ルートプレーニングは、汚染された根面のセメント質や象牙質を除去して、硬くなめらかな根面にすることです。両方の操作で歯肉の炎症はなくなり、歯周組織がさらに破壊されるのを抑制します。
(SRPは患者さんの負担もあり、一般的に1回の治療で4~6歯の範囲で行います。)
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1) キュレットは歯周ポケット内へ挿入し、根面に対してキュレットの表面の角度が0℃に近いことに注意します。
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2) 歯周ポケットの底部をキュレットの刃の遠心切縁で確認します。
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3) キュレットはスケーリングのためのカッティング位置に向きを変えます。
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4) 刃は歯石を除去するために、スケーリングのストロークで根面に沿って動かします。
■SRPで歯周組織改善
- ■歯肉縁下のSRPに入るタイミング
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- ●ブラッシングに出血しなくなる。
- ●歯肉の発赤、腫脹が治まる。
- ●ブラッシングにより、見ためにも歯肉の状態が改善されてからSRPを行います。
- ■SRP後の知覚過敏について
- セメント質や象牙質表層部まで除去され、象牙細菅が露出するために知覚過敏が起こります。通常は1週間がピークで象牙細菅が石灰化して2~3週間で消えていきます。
歯周治療は、ブラッシングとSRPによる十分なプラークコントロールで約85%までが治ります。しかし、根の解剖学的形態が複雑で、完全に歯石やプラークを除去することが困難な場合は、歯周外科が必要になることもあります。
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1) SRP後のプロービング診査で出血が認められます。
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2) 近心部に肉牙組織が認められます。
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3) 歯槽骨被覆するよう縫合します。
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4) 手術による創傷を保護するために歯周パックします。
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5) 手術による創傷を保護するために歯周パックします。
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6) 術後の診査では炎症がなくなり、ブロービング時に出血を認めません。
- 目的
- 長期にわたり患者さん自身でプラークの無い状態を維持することは難しいことです。そこで、定期的なメインテナンスにより歯周組織の健康を維持することがたいせつです。
プラークコントロール抜きの歯周治療はありえないし、メインテナンス抜きの歯周治療もありえません。
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■初診時 プラークコントロール不十分で歯肉の腫脹を認める。
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■術後 炎症が治まり歯肉がひきしまる。
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■10年後 プラークコントロール良好で歯周組織を長期間に保つ
| 歯が一本抜けた場合 | 歯が数本抜けた場合 | 歯が全部抜けた場合 |
|---|---|---|
周りの健康な歯を削ってブリッジにします。 |
入れ歯を固定するための針金が見た目にも機能的にも不快です。 |
入れ歯がズレたり、食べ物が内側に入って痛かったりします。 |
周りの健康な歯を削ってブリッジにします。 |
入れ歯を固定するための針金が見た目にも機能的にも不快です。 |
入れ歯がズレたり、食べ物が内側に入って痛かったりします。 |
メリット:ブリッジしなくていい、横の歯を削らなくて良い、気にせずかめる
当院ではCT画像解析を行っています。
予防歯科とは…
虫歯や歯周病などの病気の発生を予防することや治療後のメンテナンスのことをいいます。単に病気にならないように予防するだけではなく、病気の進行に応じた処置や健康的な歯に戻すことです。
虫歯や歯周病で破壊された歯は元には戻りません。
健康的な美しい歯を保つためにもメンテナンスが必要です。
また、虫歯や歯周病の治療後、再発しないためのメンテナンスも必要です。
「健康的な歯の状態を維持するためにも定期的な検診が必要です」

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訪問歯科治療後、口腔ケアの必要な方に居宅で口腔ケア(ブラッシング等)の指導をします。(居宅療養管理指導)
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寝たきりの方・要介護の方などが対象です。(通院できる方は対象になりません)
※詳しくは当院までご連絡下さい。

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- 1) 入れ歯の調子悪い
- 2) 歯や歯茎が痛い
- 3) 口の中がはれている
- 4) 口臭がある
- 5) ものが食べにくくなったり、むせる様になった
- 6) その他、定期健診やお口の悩みに関する相談

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- 訪問歯科診療は保険診療となります。
- 介護保険は原則一割の負担です。




